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-‐∠ .. . . トミ _ , |\,∠ -‐…・・・…‐=ァ'"´ /、 |/ / /‐-ミ / 、 /ヽ  ̄ ̄'《 丶 ' L) ー'′ -‐ 》、 \ { ,. / . .\ . . l . _/ ヽ | \ . イ ; ヽ | ' |\ ∠.. ノ / ; -‐-、 | i 八 ヽ、. / ./ ∠ニ=ニ、 \| |/ ̄\ Y 厶-‐''" 丶 /\ '; / \ -‐' ハ! / // ´///// //∧ _ _ / //// //////// '//. ////// //////// /. //////// ///////! /. イ///////// 名前 テッカマンランス 原作 テッカマンブレード 出演物語数 1&アバター 十一代目アバター、セイバーが姫騎士セイバーで主役に選ばれたため、一時的にアバターになった。 亜バター聖杯戦争~狼牙風風伝~ ランサーのサーヴァント +ネタバレ注意 ネタバレはここに書く
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前ページハルケギニアの騎士テッカマンゼロ ワルドのグリフォンに揺られて続けてもう二日。彼はルイズに気を使って何度か休もうとしたが、ルイズはそれを全て断った。 自分がついてきたために、既に遅れが出始めている。一人乗りと二人乗りではスピードに差が出るのは当然のことだ。 これ以上迷惑を掛けるのは嫌だった。 しかし、すでにルイズは限界間近だった。 エリート中のエリートであるワルドはともかく、ルイズはもともとただの学生だ。長期の乗馬(この場合はグリフォンだが)は彼女に多大な疲労を与えた。 彼に抱かれるような姿勢でグリフォンにまたがったまま、疲労で目蓋が重いのを必死に耐える。 半分意識が飛びかけたところで振動がなくなった。グリフォンが足を止め、一声鳴いた。 それで目をしばしばさせながらも目を覚ましたルイズに、頭の上からワルドが優しく声をかける。 「着いたよ」 その声にルイズははっとし、辺りを見回す。 目の前には、ただっぴろい草原が広がっていた。 ところどころに花が咲き、なかなかに良い眺めだった。その向こう側に見えるラダム樹がなければ。 ラダム獣は一通り暴れた後は地に潜り、ラダム樹となる。この植物は言うなればラダムの侵略を受けた証だ。 今のところ、ラダム樹は毒を発するわけでも人を襲うわけでもなく、これといった害はなかった。 しかし、気味の悪さと敗北感は拭えない。 このタルブ村とやらも、一度はラダムに襲われたのだろう。建物の多くが壊されている。 それでもタルブ村の人々はここで生活していた。 ラダム獣は、一度ラダム樹の根付いた土地には普通は二度と襲い掛かってくることはない。 経験的にそれを知ったからだ。 ラダムの目的がラダム樹を植えつけることであることははっきりとしていたが、その先に何があるのか…… それは誰一人として知らなかった。 タルブ村には着いた二人は村の外れの木にグリフォンを繋ぎ、歩きで竜の羽衣があるという建物に向かった。 今さらな気もするが、こんな村でグリフォンを乗り回すわけにもいかない。 村の外れに、それはあった。 意外なことに、この寺院のような巨大な建物には何一つ損害がなかった。 この中に、竜の羽衣は収められているらしい。 ワルドに案内されて、ルイズは寺院に入った。中では、既に何人かの人が巨大な何かに取り付いていた。多分村の人間に手伝わせているのだろう。 それを指揮しているのは、ミス・ロングビルだ。 あらためてルイズは目の前の巨大な金属の塊を見上げた。 鈍い輝きを放つ、鋭いシルエット。それが竜の羽衣だという。 ルイズが勝手に想像していたものとは全く異質で、はるかに巨大なものだった。 建物に入ったワルドはミス・ロングビルから一通りの話を聞き、頷いた。 「まさか、これほどのものとは」 「これだけ大きいと、運ぶこともできやしないわ」 「そうだな。アカデミーに連絡してみるか」 ワルドはルイズと話している時とはまるで別人のような、冷徹な口調になっている。 仕事用なのか、あるいはこれが本来のワルドなのか。 そういえば、わたしは今のワルドのことを何も知らない。 自分の知らない姿を見て、ルイズは一抹の寂しさを感じた。 ルイズも何か手伝おうと思ったが、できることなど何もなかった。 サモン・サーヴァント、あの悪夢の際に杖を失ってしまったからだ。杖を失い、魔法の使えなくなったメイジなど、何の役にも立たない。 そりゃ、杖があっても何もできないかもしれないけど…… 結局、ルイズは寺院の近くの岩に腰掛けてワルドやミス・ロングビルがせわしなく動き回るのを見ていることしかできなかった。 岩に腰掛け、頬杖をついていたルイズは不意に声を掛けられた。中年の平民がおっかなびっくりとした様子で話しかけてきている。 「あの……少しよろしいでしょうか?」 「何かしら?」 別にやることもなかったルイズは、顔も向けずに応えた。 平民は貴族に対して怖れを抱いており、自ら話しかけるようなことは滅多にない。にもかかわらず声を掛けてくる。何を訊きたいのか、少しばかり興味もある。 「トリスタニアのほうからいらっしゃった、貴族、の方ですよね」 黙ったまま頷く。 「すみませんが……トリステイン魔法学院のことはご存知ありませんか?」 魔法学院、最も聞きたくない単語に顔が曇る。それを表に出さないように取り繕い、平静を装ってルイズは訊きかえした。 「……なんで、そんなことを聞くの?」 「そちらに私どもの娘が奉公に出ておりまして……シエスタといって、黒い髪で黒い瞳の、貴族様と同じぐらいの歳の娘で……。 ご存知ありませんか?」 そこまで言って、頭を上げた。相当に心配していたのだろう、髪の毛には白いものが混じり、頬はこけ、目の下に隈ができている。 小さな胸が、しこりでもできたかのように重くなった。 「ごめんなさい、分からないわ」 ……ここにも、ラダムに運命を狂わされた人がいた。ルイズはそう思いながらも、本当のことを言うことはできなかった。 頭を下げた平民は竜の羽衣のほうに行った。 ワルドたちにも訊きに行ったのだろうか。しかし、真相を知っているのは自分だけのはずだ。 ルイズがテックシステムから解放されたとき、残っていたのはわずか数人だった。 ツェルプストー、モンモランシー、もう倒したけどギーシュ、あと風竜を召喚した女の子――確か、タバサとかいったっけ。 他にも校舎や魔法学院付近の別の場所で適合したのが何人かいたみたいだったけど、全部で十人もいないはず。 もしかしたら、その中に……。 思考がまたも無限ループに陥りそうになる。 こんなことを考えていても仕方ない。もう、どうしようもない。 ルイズはゆっくりと立ち上がりかけるが、頭を押さえて倒れかける。 頭痛、いや違う。テッカマン同士の間だけに通じる、精神感応だ。 ダガーはもう、この世にいない。とすれば……新しいテッカマン!? この感覚は自分から知らせようと思わなければ、発生されない。 つまり、誰かが自分を誘っているということだ。 ルイズは周囲を見回す。誰にも見られないように、こっそりとその場を後にした。 作業には参加していなかったので、ルイズがいなくなったことには誰も気付かなかった。 ルイズは気配のする場所へとまっすぐ急いだ。この感覚は近づくたびにさらに強く、自分の位置を知らせてくる。 誰なの……? 考えながら、タルブ村から少し離れた場所へと足を運ぶ。この村に来たとき目にしたラダム樹の方から気配を強く感じる。 ラダム樹と草原との境目、そこでルイズは足を止めた。 「ここにいるんでしょ! 誰!」 大声で叫ぶ。人間として、ラダム樹の森には足を踏み入れたくなかった。 ルイズの声に応えるかのように、ラダム樹が不気味に蠢き、紫色の花粉を吐き出す。 「よく……来てくれたわね」 一瞬目の前のラダム樹が喋ってのかと思ったが、そんなはずがない。 やがて、植物の影からゆっくりと一つの影が姿を現した。 燃えるような赤い髪、その背の高さにふさわしい、見事なプロポーションをトリステイン魔法学院の制服で覆っている。 肌の色は褐色、白い肌で小柄なルイズとは何もかもが対照的な印象の美女だ。 「ツェルプストー……あなたが来たのね」 魔法学院ではいつもルイズをゼロと呼び、からかっていたクラスメイトのキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーだ。 「ええ。裏切り者を始末するためにね。けど、どうしても戻ってくるつもりはないのかしら? あなたを倒さなければならないなんて、寂しいわ」 内容とは裏腹に、彼女の言葉は学院に居たときと同様のからかうような口調だった。 ルイズはそれに反発するように――事実、到底受け入れられるような内容ではない――声を荒げる。 「ふざけないで! 何で今さらそんなことを聞くのよ! 答えは分かりきってるでしょうに……」 「あなた……オメガ様が誰かも知らないのね。なんて、悲しいことなのかしら!」 今度は哀れみを含んだ芝居がかった調子だ。 「うるさい! オメガが誰かなんて知ったことじゃないわよ!」 「聞く気はないわけね。なら別にいいわ。……ここで倒してあげるから」 「望むところよ……ツェルプストー」 「あなたにできるかしら? ゼロのルイズが!?」 会話は終わった。それを感じた二人は、お互いクリスタルを取り出して構える。 「テックセッター!」 クリスタルを掲げたキュルケは、拡大したシステムボックスに包まれた。 その中で、彼女の姿は変貌を遂げていく。褐色の肌が強固な外殻に覆われる。さらにクリスタルのもつ光=物質変換機能によって装甲が形成、 ハルケギニアには概念すら存在しない推進機構や強力な武装を内包し、テックセットは完了した。 赤と黒、まさにキュルケを象徴するようだ。シルエットはどことなくゼロに似通ったものがある。 第二のラダムのテッカマン、エビルが今ここに誕生した。 「ツェルプストー……」 テッカマンエビルに変わったキュルケを見たルイズは、ふと緑色の結晶に目を落とす。 ギーシュの次は、キュルケ……。わたしは、戦えるの……? 殺せるの? ……あのキュルケを。 しかし、ルイズの逡巡はすぐに断ち切られた。 跳躍したエビルが、テックランサーを振り下ろす。ルイズはそれを横に転がるようにしてかわした。 目標を見失ったランサーはいとも簡単に大岩を砕き、大地を割った。 そうよ、殺せるかどうかじゃない。戦わないと……。 ルイズは意を決して立ち上がる。 そして、クリスタルを天に掲げた。迷いを振り切るように、力強く叫ぶ。 「テックセッターッ!」 赤と白、二人のテッカマンはランサーを切り結びながら上昇した。 ランサーは火花を散らし、大気を震わす。 そして二人が激突し、離れるたびにエア・ハンマーさえも児戯に思えるほどの衝撃波が草花を巻き上げ、木々をなぎ倒す。 何者も、音さえも介入できない、二人だけの空間がそこに広がっていた。 数十度目かの衝突、離れた瞬間にエビルは短く呪文の詠唱をした。 ランサーの先端から、火球が放たれる。『火』系統の初歩、ファイヤーボールだ。本来小さな火球なのだが、ギーシュのワルキューレ同様 テックシステムの影響を受けているらしく、熱量が段違いに高い。それでもテッカマンにダメージを与えることは無理だろうが。 それでも驚かせるには十分だった。何しろテックランサーを杖にして詠唱が可能などということを知らなかったのだから。 しかし、考えてみれば当然のことかもしれない。テックシステムは人間時の性質や能力に応じてフォーマットを行う。その際、 人間時の特性が最大限活用されて、テッカマンの能力となるのだ。ならば呪文が詠唱できるような調整がなされていても、何ら 不思議ではない。ギーシュが人間時の杖をわざわざ使っていたのは、単なるこだわりだろう。 ゼロは顔を両手で覆い、火球から身を守ろうとする。 だが、もともとエビルはファイヤーボールを当てるつもりなどなかった。この程度で与えられるダメージなどたかが知れている。 ランサーを軽く振り、火球を爆発させる。 ファイヤーボールが目の前で弾け、ゼロはバランスを崩した。そこに、エビルの蹴りが見舞われる。 反応が遅れたゼロは、蹴りをまともに腹部に喰らい、吹き飛ばされてしまう。 「ああぁぁぁっっ!!?」 地面に激突しても、まだ勢いは止まらない。大地を抉るように、 半ば地面に埋もれるような形となったゼロの目前に、エビルが舞い降りてくる。 すぐに飛翔できるようにわずかに浮遊しながら、余裕の態度でエビルは嘲るように顔を近づけてきた。 「どうしたの、ルイズ。あなたの力はこんなもの? これでどうやってギーシュを殺したのかしら?」 ことさらに『殺した』という言葉を強調する。 それは、どんな攻撃よりも強く彼女の胸を抉った。見えない唇を、血がにじむほどに噛み締める。 「だあぁっ!」 激昂したゼロは右手のランサーを一際強く握り締め、薙ぎ払う。が、エビルは軽く後ろに下がってそれをかわした。 続けて呪文を詠唱。キュルケに対抗してファイヤーボール……のはずが、やはり失敗した。 何もない空間が爆発。エビルは一瞬驚き後方に飛ぶが、すぐに気を取り直して笑い声を上げた。 「ゼロ、ゼロのルイズ! これのどこがファイヤーボールなのよ! 人間の時と同じね。あなたったらどんな魔法を使っても爆発させるんだから! あっはっはっは!」 「エビル!」 昔と同じようなからかいの言葉に、ルイズはかすかに学院のことを思い出す。 ゼロと蔑まれ、馬鹿にされ続けたあの日々。それでも、今の地獄に比べればはるかにましな世界だった。 それら全てを奪ったラダム。呼び出してしまったのは、他ならぬ自分自身。 激昂したルイズはランサーを構え直し、さらに激しい攻撃の嵐を繰り出した。 ゼロは怒涛のような攻撃を繰り出した。突き、薙ぎ払い、打ち下ろし。あらゆる種類の斬撃が襲い掛かるが、エビルは軽々とそれを受け流す。 それにさらに熱くなったゼロは、大上段から力任せの一撃を振り下ろした。しかし、これもたやすくかわされた上に、腹部に膝を喰らう。 呻き、くの字に折れ曲がってしまったゼロに、エビルは更なる猛追をくわえる。 アッパー気味の拳を顔面に叩きつける。それで浮き上がってしまったゼロの胸部へ、とどめとばかりに強烈な蹴りを叩き込んだ。 吹き飛ばされたゼロはランサーを取り落とし、地面に何メイルもの引きずり跡を作り横たわる。 それでも彼女は、よろめきながらもゆっくりと立ち上がる。 「しつこいわねえ」 ゼロの様子を見たエビルは、たまらず呟いた。 能力的には自分の方が上、にもかかわらずここまでてこずるとは、驚嘆すべきしぶとさだ。 興味深げにエビルは目の前でもがくゼロの様子を見つめた。 しかし、突如として異変が起こる。いきなり動きが止まったのだ。 戦闘中であるにもかかわらず、ゼロは頭を抱えてうずくまり、苦悶の叫びを上げる。 「ああぅ……うああぁぁぁっ!」 突然苦しみ始めたゼロの様子に、エビルはいぶかしみつつも様子を伺った。 「そう……そういうことなの」 テッカマン同士の感応を利用して、エビルは全てを察した。 もともとテッカマンはラダムにより、侵略の尖兵として生み出されたものであり、ラダムに支配されないゼロはテッカマンとして不完全な存在であるといえる。 しかし、テックシステムの中で植えつけられたラダムの知識や本能はいまだ彼女の中に残っている。 それが今、目覚めようとしていた。 どうやら一定時間以上のテックセットでラダムの本能が頭をもたげてきたらしい。本来のテッカマンにはない不完全さゆえの欠点。 それは人間として戦おうとしているゼロにとって、致命的なものであろう。 苦しみ続けるゼロに、エビルはゆっくりと歩み寄っていった。この様子ならば、倒すのはラダム獣を操るよりも容易いだろう。 ひざまづいて苦しむゼロを見下ろしながら、ランサーを突きつける。 「さようなら……ルイズ」 ランサーを振り下ろそうとした瞬間、ゼロの両肩が展開された。 「ボルテッカァー!」 間髪いれず、切り札が放たれる。 ひざまずいた体勢のまま放たれた一撃は、きれいな草花を焼き払い、草原に黒い道を作り出した。 「危ないわねぇ。全く油断のならない」 寸前でボルテッカをかわしたエビルは、やや離れた高台からゼロを見下ろした。 あれでほとんどの力を使い果たしたのか、ゼロは立ち上がることもできないほどに疲弊している。 正直、あの状況でボルテッカまで放つなんて……。ここで迂闊に攻め込めば、返り討ちにあうことはなくとも思わぬ痛手くらいは受けるかもしれない。 「まあいいわ。もっと面白いことを考えついたから」 エビルは踵を返し、呼び出した飛行型のラダム獣に飛び乗った。テッカマンエビルを乗せたラダム獣はそのまま飛翔していく。 「じゃあね、ルイズ。次を楽しみにしてるわ」 小さくなっていくゼロを見ながら、エビルは口の中で呟いた。 前ページハルケギニアの騎士テッカマンゼロ
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《テッカマンエビル》 効果モンスター 星5/闇属性/悪魔族/攻1900/守1700 このカードと相手のモンスターとの戦闘で攻撃力が同値になった場合、このカードは破壊されない。 この効果を発動した場合、次のターン以降このカードの攻撃力は+200される。 この効果は3回まで重複できる。 part15-635 名前 コメント
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前ページ次ページハルケギニアの騎士テッカマンゼロ 飛行型のラダム獣に乗ったまま、テッカマンダガーは次々とラダム獣をけしかけてくる。 「たあっ!」 テックランサーで目の前のラダムを横に、続いて刃を振り上げ、縦に切り裂く。 後ろからも来た。ランサーを文字通り槍投げのように投擲し、二体のラダム獣を串刺しにする。ランサーはすぐさまワイヤーで回収、次に備える。 しかし、ラダム獣はまだまだ空中を飛び回っていた。このままではきりがない。 私はテックランサーを収納し、空中に浮遊した。 「クラッシュイントルード!」 肩をはじめとする装甲がコンパクトに折りたたまれる。私の身体はエネルギーフィールドに包まれ、超高速でラダム獣の群れに突撃した。 クラッシュイントルードの突撃が、次々とラダム獣を打ち落としていく。 あらかた撃墜した後、ギーシュの乗るラダム獣をも貫いた。 「やるね、ゼロ。だけど!」 ギーシュ、テッカマンダガーはバラの花を振った。バラの花が一枚宙を舞い、青銅の女戦士を形成する。 これはギーシュが以前から得意としていた魔法だ。青銅のゴーレム、ワルキューレ。 テックシステムの影響も出ているのか、その姿も以前のものとは若干異なり、テッカマンに酷似した姿となっている。 その上、飛行までしていた。 「そんな!?」 テッカマンになっても魔法が使えるなんて知らなかった。当たり前だ。私は魔法なんて何一つ使えないのだから。 テッカマンダガーは続いて六体のワルキューレを召喚、七体全てを私に突撃させてきた。 私はテックランサーを振り回すが、二、三体のワルキューレを切り裂くのが限界だった。 残り全てのワルキューレは仲間がやられるのにも構わず突進、腕に、足に絡みつく。 魔法で造られたものとはいえ、青銅のゴーレム。それに何体も取り付かれ、私は全く身動きが取れなくなってしまった。 急加速で振り払おうにも、背中の噴射口まで塞がれた。ワルキューレの見事な連携は、私の自由を完全に奪っていたのだ。 ワルキューレ軍団を振り払おうともがく私を見て取ったダガーは不敵に笑った。 バラの花を手に持ち、胸を反らして絶叫する。 「ボルテッカァー!」 テッカマン最大の一撃、ボルテッカだ。体内に蓄積された反物質粒子・フェルミオンを加速して放出するそれは、 直撃すればテッカマンをも消滅させるほどの破壊力を持つ必殺の一撃。まさに、切り札だ。 それが、私に迫り来る。ワルキューレもろとも、確実に葬り去るつもりなのだ。 私は何とか肩の装甲を展開させた。装甲の内側には複数のレンズ状の物体が埋め込まれている。 「ボルテッカァァァッ!」 レンズ状の物体が輝き、ボルテッカを放つ。その反動で、ワルキューレは全て振りほどかれた。 フェルミオンとフェルミオン、二つの加速された粒子がぶつかりあって、大爆発を起こす。 「うわあぁぁーっ!」 爆発の衝撃でダガーは空中に吹き飛ばされるのが見えた。 ボルテッカが遅れたおかげでより爆発の近かった私は、さらに激しい爆発に見舞われた。 「きゃああぁぁぁっ!」 すさまじい爆風に巻き込まれた私は、抗うこともできずに地面に墜落した。 謎の生物の襲撃が始まり、半年あまりがたっていた。 トリステインを中心に発生した侵略行為は、既にハルケギニア全土に及んでいる。 怪物には剣も魔法も通用せず、いたるところに怪物によるものと思われる植物が乱立した。 侵略に対して、国というものはほとんど意味を成さなかった。 特に、侵略の中心となってしまったトリステインは秩序が崩壊してしまった。 かろうじて王女とその補佐により特殊部隊が組まれるものの、怪物たちに有効な反撃は得られなかった。 「まったく、いい眺めだね」 元魔法衛士隊隊長、現ゼロ機関のワルドはそこらじゅうに咲き誇る植物を指して呟いた。 「まるでこの世の終わりのような、美しい眺めだ」 「ワルド、少しは口を慎んだら?」 同じくゼロ機関の隊員、ミス・ロングビルはワルドの不穏当な発言をたしなめる。 「そんなことは言ってもね。あれをどうしようというのかな。それとも、今から僕たちだけ逃げ出して新しい理想郷でも探す旅にでも出るかい?」 ミス・ロングビルの表情が険しくなったのを見て、ワルドは冗談だとでも言うように手を広げた。 ゼロ機関は怪物の生態の調査などを目的として、マザリーニ枢機卿により組織された特殊部隊だ。 襲撃によってほぼ壊滅に陥ってしまった魔法衛士隊や、騎士団からの志願者によって構成されている。 この部隊が組織されるとすぐに、ワルドが志願した。ワルドはスクエアクラスのメイジで剣の腕も立つ非常に優秀な人物であったので、 すぐに隊員となれた。 ミス・ロングビルはトリステイン魔法学院からの、唯一の生還者だ。学院が襲撃されたとき、ちょうど外出する用事があって助かったらしい。 彼女は貴族ではないが、優秀な魔法使いであるのでこの部隊に召喚された。 今回は、この先で怪物の大規模な空中戦が確認されたのだ。二人はその調査のため、ここまで来ている。 目立つのであまり大人数は連れて行けず、グリフォンも使えない。 不本意ながら、二人は徒歩でここまで来ていた。戦闘が目撃されたのはまだまだ先だ。 その折、空を見ていたワルドは小さな閃光に気付いた。 「ん? 何だあれは」 「別に何も見えないわよ」 光は徐々に大きくなり、ミス・ロングビルにも視認できる距離となった。 前方、100メイツほど先に何かが墜落、衝撃波が周囲の全てを吹き飛ばした。 二人は衝撃波が収まるのを待って、恐る恐る巨大なクレーターを覗き込む。 「くっ、何なんだ?」 「何かが落ちてきたようね」 周囲は化け物植物もろとも薙ぎ倒され、燃えているものさえある。 「何が落ちてきたかは分からないが、これでは……」 ワルドは呟くが、その言葉に反するかのように煙の向こうに何かの影が映った。 それは徐々に人の形を成す。 煙をかき分け、出てきたその人物は…… 「ルイズ!?」 あまりにも意外な相手。一糸纏わぬままの彼女はこちらが誰なのかも気付かぬまま、うつぶせに倒れた。 気を失ったままのルイズを連れて帰ったワルドは彼女を休ませ、上司であるマザリーニ枢機卿に報告をした。 「では、彼女は空から降ってきたというのかね?」 「はい、枢機卿」 「にわかには信じられない話だが……それも、彼女は君の知り合いだったね」 「ええ。彼女の父親とは昔から親しくしておりまして、彼女とも」 「それに、ミス・ヴァリエールはトリステイン魔法学院の生徒でもありますわ」 加えて、ミス・ロングビルも報告する。 「では、何が起こったのかもより詳しく聞けるということか……」 「う、うぅ……」 その時、ルイズは目を覚ました。目をこすりつつ周囲を見回すその姿は愛らしいものだったが、表情は一瞬で険しいものへと変わる。 彼女は電光石火の勢いでベッドを飛び降り、ミス・ロングビルの後ろへ回りこんで彼女の首へ腕をかけた。 「ここはどこ!?」 「ゼロ機関の医務室だ。君が森に落下したのを見つけて、ここに運び込んだんだよ」 マザリーニがすらすらと答える。こんな状況でも落ち着いた対応ができる辺り、さすがといったところか。 しかし、ルイズの警戒心は全く緩まなかった。まるで檻に閉じ込められたばかりの猛獣のように、周りの全てを威嚇している。 「ルイズ、どうしたんだね。彼女を離したまえ」 そこへ、一歩踏み出したワルドが説得するように優しげに諭した。そこで初めて、ルイズはワルドの存在に気付いたようだ。 「え!? ワルド?」 腕の力が緩む。その隙にミス・ロングビルは身体を屈めさせ、ルイズの小さな身体を跳ね上げた。その勢いで彼女の腕はほどけて、 そのまま地面に向かって落下していく。 「きゃあっ!」 「ルイズ!」 しかし、地面に叩きつけられる前にワルドがその身を割り込ませた。彼の身体が衝撃を和らげる。 「あ、ワルド……」 「無事かい? 僕の可愛いルイズ」 驚いたルイズに、ワルドは微笑む。 彼の胸の中にいる形となったルイズは顔を赤らめつつも、彼の身体から降りる。 「ミス・ロングビル。驚いたのは分かるが、もう少し手加減をしてくれないかな」 立ち上がったワルドは帽子の位置を直しながら、注文をつける。ミス・ロングビルは腕を組みながらも反論した。 「いきなり首を絞められかけた身にもなってくださいな」 「彼女はレディだよ。扱い方にももう少し気をつけて」 「私を女扱いしていないのかしら?」 「いや、そういうわけじゃないんだけどね」 「あ、あなた……もしかして!」 ワルドと親しげに話をする女性を見ていたルイズは思い出したようだ。ミス・ロングビルはルイズに微笑みかける。 「ええ、私はオールド・オスマン学院長の秘書をしておりましたロングビルですわ」 「あなた、何でここにいるのよ! ラダム!?」 それに対してルイズは敵意も剥き出しの目で、ミス・ロングビルを睨みつける。手にはクリスタルを構えていた。 「ルイズ、ラダムって言うのは何かな?」 「あの怪物どもの名前よ! 学院はあいつらに襲われたんだから、誰も生きていられるわけがない!」 「私はちょうどオールド・オスマンに用事を頼まれて外出していたのですわ。ですから、学院で何があったのかは分からないのです。 教えてもらえますか、ミス・ヴァリエール?」 「それは……」 何かを離そうと口を開いたところへいかにも慌てた様子の兵が飛び込んできた。 「何事だ。立ち入り禁止だと伝えたはずだが」 「も、申し訳ありません! しかし、怪物の集団が!」 兵の報告を聞いたルイズは彼を突き飛ばし、真っ先に飛び出した。 「待ちたまえ、ルイズ!」 それを追ってワルドも部屋を飛び出した。 空中を多数の怪物、ルイズの言うラダムが埋め尽くしている。 部屋を出て、外にまで飛び出したルイズにやっと追いついたワルドは彼女の肩を掴んだ。 「危ないよ、ルイズ。早く戻るんだ」 しかしルイズはワルドの手を払った。そして、振り返りながら言う。 「ワルド、少し離れてて」 「どういう、ことかな」 ルイズは無言のまま、手に持ったクリスタルを天にかざした。そして、叫ぶ。 「テックセッター!」 ルイズの身体が巨大なクリスタルに包まれる。身体の表面に強固な外殻が形成され、続いて外装に覆われる。 ワルドの目の前で、ルイズの身体は全く別のものへと変貌した。 さらに彼女は両肩から二本の刃を取り出し、それを繋げた。 そして、叫ぶ。 「テッカマンゼロ!」 変身したルイズは、魔法はおろか風竜ですら追いつけないような速度で上昇し、怪物の群れに飛び込んでいった。 前ページ次ページハルケギニアの騎士テッカマンゼロ
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宇宙の騎士テッカマンブレード 作品情報 5枚 Dボゥイ テッカマンブレード01 テッカマンブレード02 テッカマンブレード03 相羽ケンゴ
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前ページ次ページハルケギニアの騎士テッカマンゼロ 「ここね」 巨大な寺院を前にして、ミス・ロングビルは呟いた。 ここはタルブの村の近くに建てられた寺院である。 入り口と思しき巨大な扉には錠前がかかっているが、学院の宝物庫のように厳重なわけでもない。 この程度ならば何とかなるだろう。 錠前にアン・ロックの呪文をかける。 ガチャンと音がして、鍵が解放される。満足げな笑みを浮かべたミス・ロングビルは、ためらうことなく巨大な扉を開いた。 「まさか、これが竜の羽衣?」 竜? 鳥? いや、これはハルケギニアにあるどんな生物とも似てはいない。 明らかに羽ばたくことはない巨大な翼。大きさは30メイル以上はある。竜などよりはるかに大きい。 だが、このような形をしているだけならばただのガラクタだと思うことだろう。 しかしミス・ロングビルにはこの竜の羽衣の特異性が手に取るように分かった。 触れれば切れそうな、名剣のごとき精悍なシルエット。 その肌は金属でありながら、鉄や銅などとはまるで異なる未知のものだ。 固定化の魔法がかけられており、さびや劣化も見られない。 「これは……予想以上かもね」 ミス・ロングビルはそっと竜の羽衣に触れた。金属独特の冷たい感触がする。 竜の羽衣というのはもともとはただの伝説であり、大して期待していなかった。だが、これは素晴らしい収穫であるかもしれない。 もちろんただの張りぼてである可能性もある。だが、もしそうでないとしたら…… あらためて彼女は陽光に照らされた竜の羽衣、かつて別の世界でブルーアース号と呼ばれ、ラダムと戦っていた宇宙船の同型機を見上げた。 それは差し込まれた陽光を反射して、鈍い輝きを放った。 ラダムの化け物が、鋼鉄をも引き裂く爪を、牙をかき鳴らしながら迫ってくる。 その醜悪な姿は、根源的な恐怖、嫌悪感を掻き立てた。 テックセットシステムは捕食した生命体、つまり私たちにラダムとしての知識や本能を植えつけると同時に、侵略のための情報も引き出す。 ひょっとしたら、ラダム獣の姿もそこから生み出されたのかもしれない。そんなことを考えながらも、わたしはクリスタルを掲げた。 「テックセッター!」 クリスタルの拡大したフィールドに包まれた身体は、ラダムの生み出した最強の肉体へと変貌する。 「テッカマンゼロ!」 変身を完了したわたしはテックランサーを構え、ラダム獣の群れの中に飛び込んでいった。 ハルケギニアの何者よりも高速で飛行しながら、次々と醜悪な化け物を切り裂いていく。 フライはおろか、レビテーションすら使えなかったわたしが、こんなかたちで空を飛べるようになるなんて思ってもみなかった。 けど、いくら倒してもラダム獣は際限なく増えて、しまいには空を真っ黒に染め上げた。 ――ッ!? ひどい頭痛を感じた。ラダムの本能が、わたしの中で目覚めようとしている。 早く、早く何とかしないと! ボルテッカしかない。わたしは肩の装甲を展開し、ラダムの群れの中心へと狙いを定めた。 光が、反物質粒子が収束していく。 「ボル……」 「ゼロ、また僕を殺すのかい?」 必殺の一撃を放とうとしたところで、不意に声がかけられた。 倒したはずの、ありえない声。 見れば、いつの間にかテッカマンダガーが現れ、群れの中心に陣取っていた。 「な、なんであなたがそこにいるのよ!?」 倒したはず、倒したはずなのに! 「いつまで、そんな悪あがきを続けるのかな?」 「いつまでって……ラダムを全て滅ぼすまでよ!」 わたしの答えを、ダガーは一笑に伏した。そして、まるで芝居のような大仰な仕草で手を振り、言う。 「あははは! 何を言ってるんだい! 無駄なあがきさ。結局君は、ラダムに戻る運命なんだよ。ほら」 彼の声が、わたしを現実に引き戻した。ラダムの本能が、今まさにわたしの意識を侵食しようとして…… 「イヤアアァァァァァッッ!!」 その叫びを最期に、わたしの意識は完全に途切れた。 ルイズは自分の声に目を覚ました。 あたりは真っ暗で何も見えない。指をはじいて、ランプをつける。 ぼんやりとした明かりが、狭くて薄汚い部屋を照らす。 ここはゼロ機関が大至急割り当てたルイズの部屋だ。 ゼロ機関は、ルイズを特例で構成員とすることにしたのだ。 それも当たり前のことだとルイズは思った。 ゼロ機関とは怪物――要するにラダムのことだ――に対する調査、研究を目的として設立された組織だという。 ならばそのラダムに唯一対抗できる力を持ったテッカマンゼロ、つまり自分を手元に置きたいと考えるのは当然だ。 ルイズのほうもそれに文句を言うことはなかった。ラダムと戦う以上、その方が都合がいいからだ。 こうして部屋も用意された。倉庫を急遽改装しただけという粗末なものだったが、別に文句も言わなかった。 ラダムと戦うのに、何の不都合もなかったから。 今のルイズは、ラダムと戦うためだけに生きているようなものだった。 母親がラダムのせいで行方不明になったという話を聞き、それはさらに強く、激しいものとなっている。 だからテッカマンダガー、ギーシュを倒すこともできた。 そのことは何ら苦痛も後悔も感じていない、そのはずだった。 「なのに……なのに何で眠れないのよ!」 寝巻きは汗でぐっしょりと濡れている。悪夢にうなされたせいだ。 そして、ルイズの感じる体の変調はそれだけではなかった。 食事は喉を通らず、少し食べてもすぐに戻してしまう。心ここにあらず、といった感じでボーっとしていることも多くなった。 これが既に何日も続いている。 ちょうど公爵領から戻ってきたときからこの調子なため、ワルドたちはそこで何かあったのかと考えを巡らせていた。 それは間違っていない。しかし、彼らが真相に辿り着くことはありえない。 ルイズ自身がその心中を吐露しない限り。 そして、ルイズは誰にも言うつもりはなかった。ミスタ・コルベールに託された自分の使命を。 誰も知らないはずだ。ラダムのテッカマンの正体が、トリステイン魔法学院の生徒たちということは。 もし知ってしまったら、戦いにくくなることは間違いない。 だから、このことは自分の胸にしまっておく。何もかもが終わるときまで、永遠に。 そのように眠れる夜をすごしてきたルイズは、昼間もほとんど部屋を出ることはなかった。 ルイズに声をかけてくる人もほとんどいない。みんな恐れているのだ。あのラダムをも圧倒する、テッカマンという力を。 せいぜい食事のときにワルドが声をかけてくれるくらいで、部屋に誰かが来るということなど皆無だった。 だから、ある発見にゼロ機関が大騒ぎになっていることにも気付かなかった。 そのためドアがノックされたときには心底驚いた。ワルドくらいしか、この部屋を訪れるものはいないはず。 規則正しく二回、続いて短く三回。 ルイズは寝巻きを脱ぎ捨て、慌ててブラウスとスカートを身に着ける。そして立ち上がり、ドアを開けた。 そこに立っていたのは真っ黒な頭巾をかぶった少女だった。少女はルイズの頬に手を添え、顔が良く見えるように持ち上げた。 「……あなたは?」 ルイズは驚いたような声を上げ、それを聞いた少女はうれしそうに小さな身体を抱き締めた。 「久しぶりね、ルイズ!」 その拍子に頭巾が外れた。美しく、気品のある顔立ちがあらわになる。 トリステイン王国の美貌の王女、アンリエッタだった。 突然の来訪者に戸惑いながらも、ルイズはかしこまった声で問いかけた。 「ひ、姫殿下……、何でこのような所に!?」 「今日やっと時間が取れたのです! ああルイズ、ルイズ! 懐かしいルイズ!」 アンリエッタはうれしそうに声を弾ませながら、部屋の中へ入ってくる。 しかし、そんなアンリエッタをルイズは押しとどめようとした。今の自分はともかく、こうも小さく薄汚い部屋が王女を迎え入れるに ふさわしかろうはずがない。 「お待ちください! このような下賎なところ、姫殿下のいらっしゃるような場所では……!」 「ルイズ、そのような堅苦しい言葉遣いは止めてくださいな。それより、あなたが生きていてくれて本当に良かった!」 「そんな……もったいないお言葉でございます」 「やめて、あなたとわたくしは友達なのよ! トリステイン魔法学院があの怪物たちに占領されたと聞いて、私がどれほど悲しんだか…… 生きていてくれ本当にうれしいの。あなたは本物のルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールなのよね!?」 歓喜に満ち溢れたアンリエッタの言葉が胸に響く。姉たちと会ったときと同じように、ルイズの中にもうれしさがこみ上げてくる。 「はい! そのような昔のことを覚えて下さっているなんて、感激です」 ひとしきり懐かしさを確かめ合った二人は、粗末なベッドに腰を下ろした。 「枢機卿から聞きましたけどルイズ、あなたがあの白い魔人なのですか?」 あまりに単刀直入に聞かれ、ルイズはうつむきながらも正直に答えた。 「……はい、そうです」 「本当だったのですね! 今王宮はあなたの噂で持ちきりですわ。怪物たちを瞬く間に蹴散らした白い魔人、救国の救世主!」 「……わたし、そんな立派なものじゃありません」 アンリエッタの賛辞を、無礼だとは思いつつ否定する。虚を突かれたアンリエッタは一瞬呆然としながらも、何とか話題を紡いだ。 「そ、そう……。そういえばあの怪物、ラダムというのですね。ルイズはそれをどこで知ったのですか?」 アンリエッタの世間話的な問いにも、ルイズは首を横に振る。 「……ごめんなさい、姫様。覚えていないのです」 ルイズはアンリエッタに対してまでも、ラダムやテッカマンのことについては固く口を閉ざした。 そう、これは誰にも言ってはならない。 「今、ゼロ機関の方で何か大きな発見があったそうなのですが、ルイズは何か知りませんか?」 「すみません。わたしもあまり部屋を出ていなくて……姫様の方こそご存知ではないのですか?」 すると、アンリエッタはどこか遠くを見るようにして虚空を見上げた。どことなく寂しげな様子だ。 「枢機卿は機密保持だといって何も教えてくれないのです。怪物、いえラダムでしたね。あれが現れて以来、今まで尻尾を振っていた 宮廷貴族たちも掌を返したようにいなくなって……こういったときにこそ本質が見えてくるのですね。本当に信頼できるのは、 もうあなただけですわ。ルイズは、ずっとお友だちでいてくれますよね?」 ルイズは一瞬悩んだ。もちろんアンリエッタのことが嫌いだとか、そういうわけではない。 ただ、自分がこの王女にふさわしいかどうかを考えていたのだ。ラダムを呼び出してしまった張本人で、自らの手で級友たちを倒さなければ ならない自分が、おともだち? しかし、アンリエッタは目をきらきらと輝かせ、期待に満ちた眼差しをルイズに向けていた。ここで断れば、アンリエッタが余計に傷つくのは 目に見えている。ルイズは心の中でアンリエッタに謝りながら、彼女の両手を強く握って熱のこもった口調で言った。 「……もちろんですわ。このルイズ・フランソワーズはいつまでも姫さまのお友だちです!」 アンリエッタはしっとりと微笑み、少ししてから手を離した。ルイズは自分の葛藤が見透かされてしまったのかと、一瞬ぎょっとする。 「ありがとう、ルイズ。そんな大切なお友だちであるあなたに危険なことはさせたくないのだけれど……」 そう言いながら、アンリエッタは右手の薬指から指輪を引き抜き、ルイズに手渡した。 「あの、姫様。これは?」 「母君からいただいた『水のルビー』です。せめて、あなたに始祖ブリミルのご加護がありますように」 「そ、そんな! そんなもの、いただけません!」 ルイズは指輪を返そうとするが、アンリエッタはかぶりを振った。 「いいのです。何もできないわたくしですが、せめてものお守りとして持っていてください」 「わ、分かりました。ありがとうございます」 ルイズは深々と頭を下げた。アンリエッタは微笑み、部屋を出た。 「殿下にも何もお話になりませんでしたか。ミス・ヴァリエールは」 部屋を出たアンリエッタの話を聞いたマザリーニは、ため息を吐くように言った。 もともと、ルイズの部屋を訪れるように提案したのはマザリーニだったのだ。 「幼少のみぎり、殿下の遊び相手だったとお聞きしましたので、もしやと期待していたのですが」 「枢機卿! あなたはこのわたくしまでもを利用したというのですか!」 彼の発言に、アンリエッタは激昂する。しかし、当のマザリーニはそれを涼しい顔で受け流した。 「いえいえ、ただ殿下が旧交を温めた際、何かを得たのなら僥倖と思っただけでございます。それに、ミス・ヴァリエールも 近頃ひどく塞ぎこんでおりましたので、殿下との会話で何かが変わればと……」 「……分かりました。その言葉、信じます」 一応、自分とルイズのことを心配してるらしき言葉に納得はする。 「しかし、二度とそのような真似はしないでください」 「肝に命じておきましょう」 釘を刺すようなアンリエッタの言葉に、マザリーニは仰々しく頷いた。 アンリエッタと話をしたルイズは、若干外の様子が気になった。 特に、ゼロ機関の発見とやらが気になる。ルイズは外に出て、ワルドを探した。彼ならば何かを知っているはずだ。 「ワルド、どこにいるのかしら?」 歩いていて、たまたま見かけた衛士に問いかける。魔法衛士隊の隊員だった。 彼はルイズの姿を見ると、直立不動になった。目には畏れの色が浮かんでいる。 「は、はい! ワルド様ならグリフォンの元にいらっしゃってます!」 声も上ずっている。さすがに不快感を覚えたが、それをこの男に言ったところで意味がない。注意して、どうにかなるものではないのだ。 「グリフォン? どこかに行くの?」 「はい! タルブの村で何か発見があったそうです!」 「タルブの村?」 彼の話を聞いたルイズは、少し黙考した。 そういえば、家に帰る途中でワルドが竜の羽衣とか言ってたっけ。ミス・ロングビルが探しているとか…… 本物だったのね。ワルドまで駆り出されるなんて、どんなすごい物なのかしら。 それに興味を持ったルイズは、この衛士隊員は放っておいてグリフォンの厩舎まで急いだ。 自らのグリフォンにまたがったワルドは、騎乗したグリフォンを走らせようとした。 しかし、直後に後ろから可愛らしい声が投げかけられる。彼はグリフォンを止め、声のした方へゆっくりと向かわせた。 「あれ、どうしたんだい? 君が自分から部屋を出るなんて、珍しいね」 ワルドの軽口には乗らず、ルイズは言った。 「タルブの村に行くんでしょ。わたしも連れてってもらえる?」 「それは構わないけど、なんでかな?」 「竜の羽衣っていうのが、なんとなく気になったのよ」 それだけ言って、ルイズはグリフォンにまたがった。以前と同じように、ワルドの目の前の位置だ。 「分かった。それじゃ、飛ばすよ!」 ワルドは手綱を握り、勢い良くグリフォンを駆け出させた。 新たにテックシステムから解放されたのは、赤い色をしたテッカマンだ。 ゼロとよく似たシルエットだったが、より禍々しい雰囲気を全身からかもし出している。 彼女はテッカマンの姿のまま、オメガの前に姿を現した。 「おはようございますわ、オメガ様」 「エビル、目が覚めたのですね」 エビルと呼ばれたテッカマンは優雅に一礼して見せた。 「はい。ギーシュが死んだのですね」 「ええ、ゼロに倒されたわ」 「ゼロ……、ルイズに!?」 オメガの言葉を聞いたエビルは、信じられないという風に首を振った。 ダガー、ギーシュはドットクラスとはいえメイジだ。それに比べてルイズ、ゼロはその名の通り魔法を使えない。ゼロそのものだ。 平民とメイジの関係を見れば分かるとおり、魔法が使えるかどうかは戦力において絶対的な差となる。にもかかわらず敗北するとは……。 そんな彼女の疑問を、オメガは肯定する。 「その通りよ。どうやらテッカマンにとって魔法はそれほど絶対的な差とはならないようです。これ以上、ほうっておくわけにはいかないわ」 「そのようですわね。では、このエビルがゼロの首をオメガ様に献上して見せましょう」 「任せます。しかし、ダガーを倒されているのです。油断はなりませんよ」 「所詮ダガーはその程度の器だったと言うことですわ。あのゼロに倒されるなんて」 そしてエビルはオメガに背を向け、テックセットを解除した。 燃えるような赤い髪と褐色の肌があらわになる。 「ゼロ……すぐにあたしが殺してあげるわ」 ねっとりとした口調で呟いた彼女は、うれしそうに唇をゆがめた。 前ページ次ページハルケギニアの騎士テッカマンゼロ
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オープニング 1.「REASON」 (第1~27話) 作曲:小坂由美子 作詞:安藤芳彦 歌:小坂由美子 2chのアニソンランキング 558位 *得票数 14票(2008年05月版) 月刊アニメージュ年間グランプリ(アニメソング部門) 17位(第15回) 2.「永遠の孤独」 (第28~49話) 作曲:小坂由美子 作詞:さとうみかこ 歌:小坂由美子 2chのアニソンランキング 444位(2008年05月版) 月刊アニメージュ年間グランプリ(アニメソング部門) 9位(第15回) エンディング 1.「ENERGY OF LOVE」 (第1~27話) 作曲・作詞・歌:小坂由美子 2.「LONELY HEART」 (第28~49話) 作曲:小坂由美子 作詞:さとうみかこ 歌:小坂由美子 挿入歌 1.「午前0時」 (第40話) 作曲:山本智恵子 作詞・歌:小坂由美子 2.「Meditation」 (第40話) 作曲・作詞・歌:小坂由美子 3.「Once More Again」 (第46話) 作曲:山浦克巳 作詞:島エリナ 歌:三松亜美・山浦克己 4.「マスカレード」 (第48話) 作曲・作詞・歌:小坂由美子 VIPPERが選ぶアニソンベスト100+α 83位(第1回) イメージソング・キャラクターソング 関連作品 宇宙の騎士テッカマン (1975) 投票用テンプレ REASON(宇宙の騎士テッカマンブレード/OP1/小坂由美子/1992) 永遠の孤独(宇宙の騎士テッカマンブレード/OP2/小坂由美子/1992) OP…オープニング曲、ED…エンディング曲、IN…挿入曲、TM…主題曲 IM…イメージソング・キャラクターソング
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《テッカマンブレード》 効果モンスター 星4/光属性/戦士族/攻1900/守1500 このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚されてから3ターン後のエンドフェイズに手札に戻る。 part15-635 名前 コメント
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登録日:2021/06/23 Wed 13 32 53 更新日:2024/05/16 Thu 22 39 25NEW! 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 バドー バドーの殺人セールスマン ロボット ロボット刑事 ワッカマン 八奈見乗児 始まりの敵 密室殺人 怪ロボット 怪人 殺人セールスマン 目撃者はゼロ 輪 黒田行夫 約束通りに来た…!さあ、命か?それとも10億円の隠し場所か? 出典:ロボット刑事/東映/第2話「目撃者はゼロ」/1973年4月12日放送 『ロボット刑事』の第1話「バドーの殺人セールスマン」と第2話「目撃者はゼロ」に登場したバドーのロボット。 声:八奈見乗児 【概要】 悪人にロボットをレンタルし、犯罪を手助けして利益を得る秘密組織「バドー」が送り出した犯罪ロボット第1号。 元強盗犯の黒田行夫に売り込みをかけて契約し、黒田の強盗仲間だった岡崎と伊達を殺害しようとする。 ボディがいくつもの金属製の輪っかが積み重なって構成されており、これを分割して通風口や狭い隙間を通って侵入する事ができる分解ロボット。 ターゲットを殺した後にまた分割して脱出する事で、人間には実行不可能な密室殺人を完成させる事ができる。 右手にマシンガン、左手にニードル、口に火炎放射を装備している。 しかし、基本的に対人間用の装備なのかKには目立った効果を上げる事はできなかった。 戦闘においても分解能力を使用し、攻撃を回避して撹乱する。 【活躍】 元強盗犯の黒田行夫が、刑期を終えて出所した。 黒田は仲間が迎えに来ていない事を不思議がりながら歩き出すが、そこに一台の車が止まり、迎えに来たと言って黒田を乗せる。 岡崎や伊達はどこにいる…?俺の分け前の金は持って来たかい!? 5年前の10億円強盗事件…あなただけが罪を被った。仲間の岡崎と伊達は今は悠々と生活してあなたには分け前は出さない 実は、5年前に仲間二人と10億円を強盗した黒田は金を確実に手に入れるために一人で罪を被り、その間に金を隠させていた。 しかし、仲間は裏切り、金を渡す気がないと告げられて憤る黒田に運転手は思わぬ事を話し始めた。 どうです?我々バドーと契約しないかね?殺人契約を バドー…殺人契約……! そうです、私はバドーの殺人セールスマンです 岡崎、伊達の口を割らせて殺す…!すなわち、殺人契約だ 面白えや…!よし、その契約とやら交わそうじゃねえか……! 出典:ロボット刑事/東映/第1話「バドーの殺人セールスマン」/1973年4月5日放送 黒田は秘密組織「バドー」の殺人セールスマンと殺人契約を交わし、裏切り者の岡崎と伊達を殺して10億円を手に入れるように依頼するのだった。 後日、黒田は岡崎の家に予告電話をかけ、金の隠し場所を言うように要求するが岡崎は鍵をかけた家に立て込もって拒否。 予告時間が過ぎて安堵する岡崎だったが、そこに再び電話が入る。 黒田行夫と取り交わした殺人契約書に基づき、お前を殺す……! 岡崎が後ろを振り返ると、部屋の中にいつの間にかいくつもの輪っかが散らばっていた。 出典:同上 岡崎、死んでもらう……! 出典:同上 すると、輪っかが突然喋り出したかと思うと積み上がり、バドーのロボット「ワッカマン」が出現して岡崎を殺害。 黒田と岡崎の関係を暴くために張り込んでいた芝と新條が悲鳴を聞いて飛び込むが、すでにワッカマンの姿はない。 入り口や風呂場は鍵がかかっており、窓も鍵がかかっている。 さらに、15メートルもの高さのある所から侵入できるはずもない事から完全な密室殺人と判断され、鑑識を呼んで調べようとするがそこにロボット刑事Kが登場。 Kが目に装備された分光装置で調べた所、足跡はおろか指紋一つ残されていない事から、部屋にある通風口に注目。 そこから聞こえた音から、まだ犯人が近くにいると見たKは現場から逃げ去る車を発見し、ジョーカーに乗って追跡。 追い付いてワッカマンと対峙するが、ワッカマンは体を分割して逃走してしまう。 翌日、新たに創設された「警視庁特別科学捜査室」として活動する事になったK達に、情報屋の地獄耳から黒田が伊達に電話をしたという情報が入り、Kと新條が向かうが伊達は海の上のヨットに立て込もって出てこない。 すると、そこに体を分割してワッカマンが侵入。 伊達を殺そうと襲いかかるが、Kが駆け付けて対峙する。 出典:同上 殺人及び、殺人未遂犯として逮捕する! いつかの刑事(デカ)だな?死ねっ! 出典:同上 ゴーッ! 戦闘形態になったKとワッカマンの対決に突入し、ワッカマンはマシンガンで攻撃するがKの鋼鉄の体には通用しない。 ならばと、体を分割して移動して撹乱すると口からの火炎放射で攻撃。 見ろ、貴様のパンチは俺にはかすりもせん! 奴の体のどこかに、復元装置があるはずだ……! 奴の体から、エネルギーの流れが響く…!復元装置は左の胸か! 出典:ロボット刑事/東映/第2話「目撃者はゼロ」/1973年4月12日放送 二度と合体させない! 出典:同上 復元装置の場所を見抜いたKが発射した破壊銃によって、ワッカマンは爆散。 しかし、伊達はバドーの新たな刺客によって殺されてしまい、さらにKは伊達の殺害犯に誤認されて留置場に入れられてしまうのだった。 【その他】 『秘密戦隊ゴレンジャー』に登場した仮面怪人「鉄輪仮面」は、ワッカマンと同じ能力を持ち姿もよく似ている。 この第1話と第2話には、新條刑事役の千葉治郎氏の兄である千葉真一氏がゲスト出演している。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 宇宙の騎士!宇宙の騎士! -- 名無しさん (2021-06-23 15 19 16) ワッハマンのページが出来たのかと -- 名無しさん (2021-06-23 15 25 40) 53位の男が浮かんでしまう俺はもうだめだ -- 名無しさん (2021-06-23 20 35 11) エボンの賜物だな -- 名無しさん (2021-06-23 20 46 04) 探偵ものの主人公達「バラバラに小さくなって中に入れるなんて反則だ」 -- 名無しさん (2022-03-16 13 05 57) なんでワッカが機械になってんだよ?教えはどうなってんだ!教えは! -- 名無しさん (2024-05-16 22 39 25) 名前 コメント
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宇宙の騎士 テッカマンブレード 詰め合わせ DL http //loda.jp/ukwindom/?mode=pass idd=328 ブレード エビル ランス